サロン実例2「カットよりスパなサロン」
オーナーは100坪オーバーのサロンを含む数店舗を広域に構える敏腕美容師。自身の名を冠したいわゆる町のパーマ屋さんから店をスタートさせ、今では経営に専念をしている立場の人物です。
このオーナーの信念は「技術は50%でも接客は100%」。素晴らしい技術が無くても接客が完璧ならそれを求める高単価な固定客が増える、という考えです。
大人数のスタッフを抱えるサロンにとって、技術レベルは誰もが100%を目指せるものではありませんが、接客で100%を実現するのは不可能ではないということで、どちらかというと店の内装や雰囲気にこだわり、某ホテルの方針を参考にした接客やホスピタリティーを重視したラグジュアリーなサロンづくりを行っています。
旗艦店をオープンするにあたり当初より関わらせていただきましたが、広大な面積を持つ店舗の半分はラウンジスペースという贅沢な作りになっており、ホテルをイメージしたというオーナーの意向が充分に反映されている店舗となっていました。しかし、当初は客数が伸び悩んでいました。ラグジュアリーすぎる店舗がかえって新規客の足を遠ざけてしまったのです。誰もがリラックスできる空間ではなかったということです。しかし、ターゲットは富裕層。合わない顧客はそれでいいのです。
これはオープン当初から予想していたことなのですが、一定の固定客を獲得するのにかかる期間として3年を目標に、というプランの長期計画を立てていたので特に問題はありませんでした。富裕層をターゲットとしていたので、広告媒体に頼ることはしなかったものの、スタッフの営業の甲斐あって何とか前倒しで目標をクリアすることができました。
その顧客獲得戦術とは、①口コミ、紹介、②SNS、③ハンティング、以上です。
特に力を入れていたのがハンティング。カットモデルではなく、スパモデルを集め、スパを切り口に顧客へと誘導するというスタイルでした。知らない美容師に髪を切させるのに抵抗のある美意識の高い人々にモデルになってもらうにはこの方法が一番かもしれませんね。
スパを顧客獲得の切り口としているので、一般知名度の高い某ラグジュアリーブランドを導入し、技術の習得にはかなり力を入れていました。ただ、スパはカットやその他技術に比べるとスタッフによる技術差がそれほど大きくないのでオーナーの意とする方向性に合致していたと言えるでしょう。
オープンから数年経った今では客単価2万円弱を達成し、高収益型サロンとして大成功しています。
このようなサロンもあるということで、何かの参考にして頂ければと思います。
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